IPv6ネットワークにおけるIX2000シリーズのルーティングは、IPv4のような「NAPT(アドレス変換)」を行わず、プロバイダーから割り当てられたグローバルIPv6アドレスを宅内端末にそのまま直接割り当て、エンドツーエンドでネイティブにルーティング(透過転送)するのが基本です。
ただし、プロバイダーの契約内容(ひかり電話の有無など)によって、ルータが宅内へアドレスを伝達・管理する方法が大きく2種類に分かれます。
1. ひかり電話「なし」の場合:NDプロキシ方式
プロバイダー側から「LAN全体で共有するアドレスの塊(プレフィックス)」ではなく、端末単体向けの最小限のアドレス(/64)しか降ってこない場合の通信方式です。 [1]
- 仕組み: WAN側インターフェースがプロバイダーから受信したIPv6プレフィックスを、LAN側インターフェースに「NDプロキシ(近隣探索プロキシ)」機能を使ってそのまま仲介(スルー)します。
- ルーティング: ルータ自身が経路を細かく制御するのではなく、プロバイダーの網(WAN)と宅内(LAN)を仮想的に橋渡しし、パケットをそのまま右から左へと透過させます。
2. ひかり電話「あり」の場合:DHCPv6-PD方式
プロバイダーからルータに対して、宅内LANで自由に配ってよい大きめのアドレスの塊(一般的には/56などのプレフィックス)が割り当てられる方式です。 [1]
- 仕組み: IXルータがプロバイダーから受け取った塊(PD: Prefix Delegation)から、LAN内の各セグメントへ/64ずつ自動でアドレスを切り出します。 [1]
- ルーティング: 分割したアドレスをルータ自身のLAN側インターフェースに割り当て、宅内端末には「RA(ルータ広告)」を使って通知します。ルータは通常の「IPv6スタティック(静的)ルーティング」に従って、宅内からのパケットを的確に外へ送り出します。
IPv6での実際のコンフィグ(設定例)
IPv6マルチキャストルーティングと、WAN側(例: GigaEthernet0.0)から受け取ったアドレス情報を自動適用させる設定を組み合わせてルーティングを行います。 [1]
text
! IPv6ルーティングの有効化
ipv6 ufs-cache enable
! WAN側インターフェースの設定(ひかり電話なし:NDプロキシの例)
interface GigaEthernet0.0
ipv6 enable
ipv6 nd proxy GigaEthernet1.0
! LAN側(GE1.0)へアドレス情報をプロキシ
ipv6 address autoconfig receive-default ! プロバイダーからデフォルトルートを自動受信
no
shutdown
! LAN側インターフェースの設定
interface GigaEthernet1.0
ipv6 enable
no
shutdown
現在インターネット上の多くのWebサイトはまだIPv4にしか対応していません。そのため、IPv6ネットワーク上でIPv4通信を行うために、IX2000シリーズでは「MAP-E(v6プラスなど)」や「DS-Lite(transixなど)」といった「IPv4 over IPv6」のトンネリング技術を併用してルーティングを行っています
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